情報化が進み、あらゆるものがデジタル化され、欲しいものや情報がすぐに手に入る今。
現実と虚構が交わる社会の中で、本当の豊かさとは何かを、ずっと自分自身に問い続けてきたように思います。
そしてわたしたちはここ中和と出会い、暮らし始めました。
欲しいものは自らつくり、
食べたいものは自然と向き合いながら、時間をかけて育てていく。
山に入り、自然の恵みを四季折々いただく。
目の前にあるものが全てだった頃の、人々の暮らしの面影が残る土地。
自ら手を伸ばせば、自然の温もりを感じられる場所。
自然や人々と接する中で、ここには豊かさの種が詰まった引き出しがたくさんあると気が付きました。
人によって、響く引き出しの種類も場所も違うけれど、この多様さこそが生きる力の源泉のように感じています。
そういったことを少しずつでも伝えていく機会を作ろうと、中和の仲間六人で立ち上げたのが「山懐」です。
わたしたちはそれぞれ、食と深く関わる仕事をしていて、筋金入りのくいしんぼう揃い。
この中和での暮らしの中でもらった、たくさんの素晴らしいもの。
食を通して、みなさまにお渡ししたいと思います。
山懐実行委員会
食事、散策、野点など、ゆったりとした時間を過ごしていただく一泊二日の旅を企画しました。
山懐の旅、初日の山場となる夕食。
「ここ中和でしかできない“豪華”な食事」を、中和の仲間である山懐実行委員会の六人で考えた。
所謂豪華な食事というと、煌びやかな空間で高級食材を使っての贅沢な食事が頭に浮かぶが、わたしたちにとっての贅沢な食事とはなんだろうと考えた。
みんなで何度も何度も何度も話し合った。
東京から中和に移住した当初、持ってきたコーヒーやお茶、ごはんが目の覚めるような美味しさで、食べる度に驚いていた。
そして今ではそれが当たり前となり、日常となった。
そんな、ある意味贅沢な日常の中にあっても、とてつもなく美味しいと感じる料理ができあがることがあり、その時はなんとも言えない幸福感に包まれる。
わたしたちが考える贅沢な食事とは。
中和でしか感じえない、ここの音・土地のリズム・匂い・空気・温度・湿度。これらのある空間・場所で、美味しさ以上の何かを感じられる食事。
この食事は、特別であると同時に、ただ日常の中和そのものでもある。
特別と日常。いうなれば
ハレとケが同居する空間で
ハレとケが同居する料理。
ここでしか味わえない、簡素で贅沢な食事。
六人で熟考してつくり上げた料理を、心ゆくまで堪能してもらいたい。
そうしたら、中和を五感、いやそれ以上のなにかで感じてもらえるだろう。
霜でうっすらと白くなった草木、凛とした空気、川を流れる水の音、風の音、鳥の囀り。
山の茶会とは、火と水と植物を使って、自然と遊ぶこと。
炭の熱でお湯が沸くのを待つ時間。
その場の葉や枝を炉で焙煎し、色や香りが変化していくのを感じる時。
「待つ」ことにワクワクする。
この葉はどんな味がするのか。
この枝はどんな香りがするのか。
まったく想像がつかないものを身体に取り入れようとする時、 身体がどんなものにでもすぐに対応できるようにスイッチが入り、無心になる。
味覚と嗅覚が味や香りをキャッチする。
温かいお茶が口から喉を通り、お腹の中に流れるのを感じる。
豊かな香り、微かな香り、長い余韻。
煎を重ねるごとに変わり続ける。
時間と共に身体が緩み、眠っていた五感が目覚めるのを感じる。
茶会の前と後では周りの景色が違って見える。
里山に住んでいても普段はなかなか得られない、この自然との一体感。
この場の全てのもの、この時間が愛おしくなる。
ゆっくりと時間をかけて、自然に身を委ねて、自然と遊ぶことの楽しさを感じてほしい。
集合場所詳細はお申込み後にお知らせします。
公共交通機関はございませんので、お車でお越しいただくか、岡山駅発着の送迎バスをご利用ください。
送迎バス
3/22 (金) 12:40 岡山駅発
3/23 (土) 17:00 岡山駅着
上記代金には、二日間のご飲食代全て・送迎バス代金が含まれます。
2011年、蒜山・中和に移住。
「食べたいものをつくる」をテーマに、自然栽培の農家を営む。
移住して10数年経つ今も、この土地の景色に心打たれる日々を過ごしている。
美しく澄んだ空気や水を農作物から感じてもらえるのが生きがい。
新しい時代の豊かな暮らしを模索しながら実践中。
山懐の旅では、企画運営とともに、農作物も提供。
2020年春に東京から中和に移住し、『蒜山 鰻専門店 翏』 を営む。
山菜やきのこを採る生活を楽しんでいる。どの季節もなにかしら拾いものがあるので、一度外に出るとなかなか帰れない。
こちらで生活していると、何か必要なものがあるときに、買うのではなく自分で木や竹から作ろうと思うようになる。あんみつが食べたくなり、昨年の秋、赤エンドウの種を蒔いたところ。
山懐の旅では、翏は料理長、朋子はディレクターを務める。
“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに活動する。
書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がける傍ら、東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を月に一度オープン。
水のいい場所を探す中で、2012年この村と出会う。
山や川、田畑の風景があまりに美しく、ここは桃源郷かと思ったのをよく覚えている。
中和の森の小さな家と、東京との二拠点暮らし。
森に入り続ける中で、もともと好きだった山野草や鳥についての知識が広がっている。
山懐の旅では、器のコーディネート、グラフィックデザインを担当。
主に画業。
1992年島根県出雲市に生まれる。
食べ物と風景の絵をよく描く。
高校卒業後惣菜調理の仕事に従事。職場でPOP作りのため料理の絵を描き始める。2013年に退職し本格的に絵を描く為上阪。働きながら画塾などに通う。
現在は書籍雑誌等の装画や挿絵などのイラストレーション、展覧会の発表などを中心に活動。
受賞に2016年HBファイルコンペvol.27 仲條正義 大賞など。
神戸在住。好きな食べ物は卵。
本職は陶芸家。
料理研究家さんとの出逢いから、より具体的なイメージで作陶し、料理会のある個展を開催することが多い。
2007年 茶人の李 曙韻さんとの出会いからお茶の魅力を再認識。
2016年から雲南、福建、潮州などお茶の産地を訪れ、杭州の茶葉博物館で目にした宋代斗茶図に刺激を受け、モバイル茶道具の「茶車」や「OCHAMOCHI」などを作り始める。
また樹齢1000年の見上げるほどの茶樹との出逢いから、茶への見方も大きく変わり、お茶をよりシンプルに「植物と水と火(陽)の出来事」と捉え、料理や蒸留、焙煎、染め、野草、薬草、珈琲、、と感心が繋がっていき、その魅力を再考し、各地での個展で体験的なお茶会を開催中。